技術資料①

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フッ素樹脂の寸法公差について

フッ素樹脂は金属やセラミックと比べ、常温での熱膨張係数が大きくまた弾性体である為、工業部品としての寸法許容差の幅は比較的大きく設定される傾向にあります。そのため弊社の加工品につきましては指示なき場合は下記表の1級公差を基準に製作いたします。この公差を超える精度が必要な場合には、別途ご指示の上、相談くださいますようお願い致します。
1.切削加工時の寸法公差の規格
JIS規格によって定められた、フッ素樹脂の切削加工品の寸法許容差を明記します。
JIS K6884 "四ふっ化エチレン樹脂普通寸法許容差〔削り加工〕"より抜粋
注)測定は25±2℃の雰囲気中で4時間以上静置したのち、その温度で行う。
2.背景となるフッ素樹脂の特性
右記のような規格がJISにより定められ、また製作に際して十分な環境整備が必要な理由は下記の2点の特性に起因します。
2-1)熱膨張率が大きい
フッ素樹脂の線膨張率は鉄の10倍、アルミニウムの4倍と大きいことがあげられます
以下参考値
テフロン(R) PTFEの線膨張係数
※三井・デュポンフロロケミカル(株) テフロン® 実用ハンドブックより抜粋
呼び寸法の区分 許容差(単位:mm)
1級 2級
1以上 16以下 ±0.1 ±0.3
16をこえ 40以下 ±0.2 ±0.6
40をこえ 63以下 ±0.3 ±0.8
63をこえ 100以下 ±0.4 ±1.0
100をこえ 160以下 ±0.5 ±1.2
160をこえ 250以下 ±0.6 ±1.4
250をこえ 400以下 ±0.7 ±1.7
400をこえ 630以下 ±1.0 ±2.0
630をこえ 1000以下 ±1.5 ±2.5
温度範囲 x10-5/℃ 温度範囲 x10-5/℃ 温度範囲 x10-5/℃
25~300 21.8 ~50 12.4 ~-100 11.2
~250 17.5 ~30 16.0 ~-150 9.6
~200 15.1 ~20 79.0 ~-190 8.6
~150 13.5 ~0 20.0 (10~20) (16.0)
~100 12.4 ~-50 13.5    
特記事項として、PTFEは20℃付近で転移点があり、体積が約1%変化することがあげられます。そのためPTFEの成形品は、この転移点の上下で明らかな寸法変化が生じます。これらのことから加工・寸法測定時の温度管理はきわめて重要で、フッ素樹脂の品質を管理する上でポイントの一つとなっています。
注)弊社は工場の主要工程において、24時間体制で25±2℃の温度管理を実施しています。
2-2)弾力性がある
フッ素樹脂は"弾性"を持つために、寸法測定時に測定子をあまり強く押し付けると弾性変形し正しい値が得られないことに注意する必要があります。例えば、マイクロメーターで測定するとき、押し付け方によっては0.13~0.25もの差を生じることもあります。一般的にゴムとプラスチックの中間程度の硬さをイメージしてください。これより弊社では測定器具は樹脂用に改良したものも多く使用しています。