歴史が語る信頼

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常に変化を求めて ― フッ素樹脂との出会い

1968年製 大隈鐵工所 旋盤 画像
1954年、小倉市(現北九州市小倉北区)で、当時隆盛を極めた北九州近郊の炭鉱向けに輸入品の水中ポンプの販売、修理業で起業しました。ポンプの修理に必要なパッキンなどの製造を始め、徐々にシール材の製造が増え工場の規模を拡大し、1965年にシール材の中でも、当時としては非常に特殊なフッ素樹脂に出会い、その成形加工に乗り出しました。 その後地元九州にとどまらず東京で販路を開拓し、バルブのシールに使用するフッ素樹脂部品の生産を始め、その生産量も高度成長経済と共に飛躍的に増加しました。
しかし、1995年急激な円高の進行により、安い海外製品が流入し始めたのを契機に、次第に顧客の生産拠点の海外移転などが進み、弊社は少品種大量生産から転換の時を迎えました。

 〈写真説明〉1968年製大隈鐵工所 旋盤機
 当社で導入した旋盤1号機。当時のモノづくりの熱い思いが世代を超えて
 受け継がれています。

より高品質、高機能を求め ー フッ素樹脂への特化

フッ素樹脂、テフロン、PTFE モールド成形 クリーン環境

Windows95の発売後、IT産業の急速な発展に伴い、当社は新たな市場として、半導体製造装置分野への進出を目指しました。半導体業界の求める厳しいスペックと品質管理に戸惑いながらも、フッ素樹脂の加工技術を深化させ、半導体製造装置向けに部品の供給を始め、その生産量は急激に増大しました。
これにより、少品種大量生産から、少量多品種でも高付加価値製品の生産へと転換を果たし、同時に、半導体業界のお客様に満足いただける品質管理と精密加工のノウハウを蓄積しました。高機能部品としてのフッ素樹脂へ特化し、お客様の求めるものをカタチにすることを喜びとし、新たな需要開拓に取り組んできました。

〈写真説明〉1993年 半導体業界向けに成形エリアのクリーンルーム化

新たなる挑戦 - フッ素樹脂のコア技術の融合

サンメディカル研究所国産初の体内植込み型補助人工心臓 「EVAHERT」

今まで培ってきた弊社のコア技術であるフッ素樹脂の「成形」「溶着」「精密切削」をそれぞれ深化させ、更にそれらを融合させることにより、オンリーワン技術の確立を目指しました。この技術の応用製品として、2011年4月に発売開始された国産初の体内植込み型補助人工心臓「EVAHEART」の基幹部品として採用いただきました。これを契機に新しい分野への挑戦として、医療分野への展開を目指し、技術と品質のレベルを更に向上させ、人工透析装置や免疫分析装置などの先端医療機器への部品供給も開始いたしました。これらにより、社会貢献を理念に掲げる弊社にとって、医療機器を通じ世界の人々の健康に貢献できることを喜びとした新たなフィールドが加わりました

〈写真説明〉2011年 株式会社サンメディカル技術研究所様製の国産初の体内植込み型補助人工心臓「EVAHEART」

フッ素樹脂と共に100年企業を目指して~

サンメディカル研究所国産初の体内植込み型補助人工心臓 「EVAHERT」

2007年に本社工場を新築し全面移転したことは、当社にとって更なる飛躍へ向けてのスタートとなりました。2019年にはRC構造の二階建工場棟の増築も行い、お客様のニーズにお応えすべく先端設備機器の充実を図りました。また、地球環境や従業員の働きやすさにも配慮した工場環境を整備し、生産性とサスティナビリティを両立する工場へ大きくステップアップしました。創業65周年を迎えた2019年からは100年企業を目指すべく従業員の心をひとつにするためのビジョンを掲げ、新たな挑戦へ歩み始めました。

これからも、グローバルオンリーワンを目指すフッ素樹脂の革新技術によるソリューションにますます磨きをかけ、従業員をはじめとするステークホルダーの皆様との「人の和」を大切にし、社会へ貢献する新たなフィールドを求めて挑戦を続け、フッ素樹脂と共に進化してまいります。

〈写真説明〉2019年 増築された本社工場の全景
 人と環境に優しい夢のある未来型工場を目指しています。