PTFE中空ボール

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中空ボールを徹底解説!!!フッ素樹脂でも水に浮く!?

中空ボールとは

中空ボールとは、PPやナイロン、PE、POMなどの素材から作られ、内部が空洞となったボールです。一般的に射出成型やブロー成型といった加工方法で製造されます。
また、中空ボールはロールオン用やフロート用としてレベルゲージ、オイルバスや恒温水槽内の液体の保温、蒸発・飛散防止として使用されています。

一方、当社の中空ボールはフッ素樹脂(PTFE)製のボールとなり、PTFE同士を熱と圧力を用いて結合し、後加工として切削加工を行うことで作られます。
他の樹脂と比べて、フッ素樹脂は耐熱性や耐薬品性に優れており、非粘着性やすべり性を活かして、様々な場面で使用されることを想定しています。

 

PTFEなのに水に浮く?(PTFEの比重について)

一見すると、PTFEを水に浮かせる事は中空構造にすれば簡単に行えるように見えますが、PTFEの比重は2.17の為、かなり重たく、膜厚を計算して製作しなければ浮かせる事はできません。
弊社の中空ボールでは水の比重である1を切るように製作します。浮かせる液体が決まっていましたら、その液体の比重に合わせての製作も可能です。

 中空ボール 水に浮く.jpeg

中空ボール使用例

中空ボール実験① ver4.jpg  

中空ボールの使用例として、オイルバスでの蒸発防止の用途があります。
実際にどれだけ蒸発防止が期待できるか、実験を行ってみました。
片方に中空ボールを入れ、もう片方は何も入れず、互いに水を100ml入れ、一週間でどのくらい水が蒸発するか
経過観察したところ、
何も入れなかった場合は水が34ml蒸発し、中空ボールを入れた場合では23ml蒸発し、
結果約10%の蒸発防止の効果があることが分かりました。

PTFE溶着の特徴

・熱と圧力だけを使用する溶着工法
PTFE溶着は溶接や接着とは異なり、熱と圧力のみでフッ素樹脂同士を結合させる技術です。溶接棒や接着剤は一切使わず、結合部は完全に一体化している為、つなぎ目が見えません。また、不純物の溶出や中空構造内部への液漏れといった心配がありません。

・中空構造の形成
PTFE溶着内部には中空構造を形成することが可能です。水に浮く中空ボールや埋設流路構造にも対応いたします。

・切削による追加工
PTFE溶着加工の後工程として切削加工を行なうことにより、精度の必要な部品としても対応することが可能です。

    

 

フッ素樹脂(PTFE)の特徴

・耐熱性 
一般的なプラスチックに比べ連続使用温度は260℃となり、高温下での使用に最適です。

・耐薬品性 
ほとんどの酸やアルカリ、溶剤に対して高い安定性があり、侵されたり膨潤したりすることがありません。

・非粘着性 
プラスチックや金属の中で、接触角が非常に大きく、接着エネルギーが非常に小さいため濡れにくい表面特性を持っています。

・吸水性 

水中24時間での吸水率は0%となります。
 

その他の特徴

・小ロットからでも対応可能

・金型レスの為、金型費用不要

・PTFE溶着後に切削加工を行う為、精度の必要な部品としても対応可能

・フッ素樹脂の精密加工を得意としている為、1/100台の寸法性にも対応可能

・真球以外の形状も対応可能

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